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連携事例

  • 地ビール技術を活用したフィズの開発・製造・販売

    水口酒造株式会社(松山市)

    【代表者】     代表取締役社長 水口 義継
    【創立】       1895年
    【設立】       1971年
    【従業員数】   80名
    【所在地】      愛媛県松山市道後喜多町3-23
    【事業内容】   酒類製造業
    【URL】      http://www.dogobeer.co.jp/
              ※地域資源活用事業

  • 道後の観光に役立ちたい、との想いで開発した「道後ビール」

    道後温泉本館が営業を開始したのが1984年。その翌年、水口酒造は誕生。それから114年、水口酒造は道後唯一の蔵元として地酒(日本酒)づくりに取り組んできた。契機となったのが1996年。しまなみ海道の開通を3年後に控え、道後の観光に一役買いたいと、水口酒造ではビール製造免許を取得。「湯上りビール冷えています」をコンセプトに開発された「道後ビール」はジャパン・ビア・グランプリ2000において金賞を受賞するなど高い評価を得、道後のイメージアップにも貢献した。現在では大手商社の流通に乗り、首都圏でも販売されている。
    こうした成功にも関わらず、社長の水口氏の心のなかには少し心残りがあった。現在は愛媛産のはだか麦を使用している道後ビールであるが、当時は外国から輸入していた麦芽を使用。確かに道後の水は使用しているものの、もっと地域のために役立つ方法はないのだろうか。こうした水口社長の地域への想いが、地域産品を利用した道後フィズの開発につながった。

  • 道後ビール。左から「スタウト」「アルト」「ケルシュ」タイプ。
  • さらなる地域貢献のために開発した、「道後フィズ」シリーズ。

    最初に取り組んだのが、瀬戸内海に浮かぶ離島「岩城島(現上島町)」のライムを原料としたライム・フィズだ。ちょうど岩城島には果汁をつくる加工場があったため、水口酒造にとっては頼もしい連携パートナーであった。しかし、誕生までには紆余曲折がある。当初、水口酒造も岩城の担当者も、島の名産であるレモンを使用するつもりだった。しかし、実際に開発をしてみると、レモン果汁とビールとの相性は今いち。岩城の担当者に断りの電話を入れたところ、「島にはライムもある。何とかこれでもう一度挑戦してくれないか」と懇願され、再開発に着手。こうして、ライムが持つフルーティな酸味が特徴の道後フィズ第一号「ライム・フィズ」が誕生したのだ。
    岩城の人たちの喜ぶ顔を見て水口社長は「道後フィズ」のシリーズ化を決めた。「次は何にしようか」と思案をしていた水口社長の前に飛び込んできたのが、久万高原町の農協で規格外のトマトを廃棄する光景。「これはもったいない」と、トマトを買い取り完成させたのが「トマト・フィズ」だ。

  • 「今度は愛媛産のキウイを使用したフィズの開発を検討しています」と語る水口社長。
  • 地域の魅力が、競合商品との差別化につながる。

    その後も大洲市にある愛媛たいき農協のエコラブスイカを使った「スイカ・フィズ」を開発。今年の夏には松山産ブルーベリーによる「松山・青空フィズ」の発売をはじめた。この商品は「坂の上の雲」にちなんだ商品で、大河ドラマで盛り上がる地元松山の活性化に一役買いたいという想いで開発したものだ。
    水口社長は愛媛の農業に対してこう語る。「農産物もそのままで販売するだけでなく、付加価値をつけることが大切。例えば市場が値崩れしたり、規格外の物ができれば、果汁にして凍らしておけばいい。そうすれば、当社のようなメーカーへの販売の道も開けるはずです。」こんな発言からも地域に対する愛情が伺える。
    もちろん地域貢献だけで、商売は成り立たない。道後フィズが分類される発泡酒類は、酒類市場の中でビールに次いで大きなマーケット。競合のリキュール商品は外国産が多いため、愛媛の農産品を活かした道後フィズは明確な差別化につながる。そこには経験に裏打ちされた、水口酒造の明確な戦略があった。

  • 水口酒造の連携モデル(クリックすると拡大します)